秋津穂の里の稲刈り、ボランティアのメンバーと。
―杉浦農園は2023年、新たに社員を迎えました。島山拓也さんです。
島山:どうぞよろしくお願いします!
―早速ですがどんなきっかけで杉浦農園を知ったのですか。
島山:去年まで国際系のNGOで職員をしていました。その団体は、ワークキャンプという合宿型のボランティアプロジェクトの企画運営や、国内外のボランティアの派遣・受け入れといった活動をしています。国内だけでも50か所近くプロジェクト地があり、そのうちのひとつが杉浦農園でした。
―その流れで杉浦農園に入られたんですね。
島山:担当者として杉浦農園に通ううちに、里山の問題や杉さんの取り組んでいる有機農業について関心を持つようになりました。団体を退職することになったとき、次の自分の活動として里山の再生、活用について取り組みたいと考えました。そんなとき杉さんから新しいスタッフの採用を考えていると聞き、活動するならば今まで関係性のある杉さんのもとで学びたいと思い御所にやってきました。
セルフビルドの蕎麦打ち小屋。壁の設置など少しずつアップグレード
―どんなところに魅力を感じましたか。
島山:御所という場所、特に農園のボランティアハウスや「秋津穂の里」の景色が、自分にとっては胸を打つというか、まず単純にこの場所や景色が好きになりました。農業だけじゃない社会貢献としての側面もあるイベントや、業種の垣根を超えた取り組みといった、人々の繋がりが感じられる活動が展開されていることが大きな魅力です。僕も前職では人と人とを繋ぐといったことをボランティアプロジェクトを通してやってきたので、その経験を杉浦農園でも活かしたいです。
―私も収穫祭に参加したときに、こんなに大勢の人が里山に来るのかと驚きました。ほかにも、そばプロジェクトや御所山麓の協議会など、様々な形で活動をPRされていますね。
島山:杉浦農園の魅力の一つは、そういった取り組みの多様さだと思っています。それも杉さんのアイディアだけではなくて、実際に参加した人たちが、杉浦農園の一ファンとしてこんな活用ができるんじゃないかと提案して、活動の輪が広がっていることはすごいと思います。
耕作放棄地の再生プロジェクトの1つ、「そばチャレンジ」。参加者の皆さんと種まき
―ここには学生の人たちや海外からも大勢の人がやってきますね。
島山:短い時間ですが一緒に活動して、自然に触れることのおもしろさの様な気持ちが滞在した人それぞれの心の中に沸き起こってほしいなと思います。海外からのボランティアは漠然と日本の文化に触れたいと思っている人も多いですが、里山が放棄されていっているという社会課題みたいなところにも気づいてもらいたいです。彼らが本国に帰って体験を話してくれることで里山保全の問題の認知向上が広がってゆきます。
―実際にスタッフとして働かれての印象はいかがですか。
島山:農業に関しては専門的に学んできたわけではないので一から勉強しています。春先に入職してから季節が変わり野菜の収穫や稲刈りなど、自分が係わってきたものが無事に形になって、いろんな人が喜んでくれたり感想の声をもらえることは嬉しく思います。また自分たちで作物を育て収穫したものを、実食して、それが自分たちの体を育て、命をつくっていくという自然との接続を感じられることも大切なことだなと思います。
毎月の1泊2日のワークキャンプでは最後の集合写真が恒例
―秋津穂作りや農園の活動を通してやりたいことはありますか。
島山:里山でこういった取り組みが行われていることを、もっと世の中の人に知ってもらいたいです。そのために、発信やイベント、社会貢献的な形で、こういった活動をしていることを広く伝えてゆきたいです。酒米ひとつとっても、酒蔵の人や日本酒のファンのかた、いろんな人たちが、里山に目を向けるきっかけになります。日々の業務の中で一つ一つの作業に集中しつつも、頭の中では里山問題の認知向上という大きなゴールがあることをイメージしながら取り組んでいきたいです。
コンバインにて秋津穂の収穫
・秋津穂 杉浦の特別栽培米(720ml、1本)
・秋津穂 杉浦の特別栽培米 真中採り(720ml、1本)
・秋津穂 特別栽培米 酒粕(500g)
・秋津穂 特別栽培米 白米(2合)
・リーフレット
5,940円(税込)
私、杉浦と沢山のボランティアの皆様で育てた特別栽培米の秋津穂を、
油長酒造さんによってその魅力を低精白で余すことなく最大限に表現。
1月下旬ごろに特別栽培米秋津穂の酒粕と白米をセットにしてお届けします。
お米の生産記録を記したリーフレット付きです。