杉浦農園、近年の取り組みについて

説明

  • 中川: 杉浦さんからお預かりしたお米を今年も仕込ませていただきました。
    昨年は85%精米で醸造し、磨かないことによりそのお米の特徴がはっきりと酒質に表れたので、今年ももう一度85%精米でチャレンジしました。
    今年は水不足や雑草などで、お米の栄養にとっては過酷な状況で育ったという印象で、それがどの様にお酒の個性になるかというのが興味深かったです。

杉浦

中川

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  • 搾りたてのお酒、御所まちを背景に

  • 中川: 今年のお酒を飲んでみられて印象はいかがですか?

  • 杉浦: まず香りに驚きました。このまま深呼吸をしたいと思うほどいい香りです。
    飲んだときには、余韻というか、口の中にふわぁと残る感覚です。これが本当に85%かいなと思います。

  • 中川: 85%らしい熟れた感じのメロンやバナナのような香りがありますが、低精白とは思えないようなあと口のきれいさや瑞々しさが感じられます。

  • 杉浦: お酒の味を左右する要素としてお米のなかの窒素が挙げられます。
    肥料は殆ど与えていないので、このように自然栽培的に作ると、もしかしたらお米のなかの窒素量が少なくなりお酒の味わいも綺麗になるのかもしれません。
    植物には順応作用があり、肥料を与えなくても稲は育ちます。
    僕はあえて肥料を減らしてきていて、秋津穂の里も肥料を全く与えず、大地の力だけで作ったらどうなるか今後是非やってみたいです。

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  • 刈り取られた秋津穂

  • 中川: 杉浦さんが育てた秋津穂米が皇室献上米に選ばれましたね。
    おめでとうございます。

  • 杉浦: ありがとうございます。
    御所市から電話で連絡を受け、はじめは歓喜するというより、なんのことかわからなかったというのが率直な感想です。
    今年(2022年)、勤労感謝の日に行われる皇室行事、新嘗祭に献上されるお米に選ばれました。各都道府県からひとつずつ選ばれるもので、里山での取り組みを知った御所市が県にオファーをし、今回の機会に繋がりました。
    私たちの里山における小さな取り組みが、献上米として評価されたことを嬉しく思いますし、それと同時に、参加してくださる皆さんの努力や応援に報いることができると思いました。里山の活動をお手伝いいただいている皆様に感謝の思いでいっぱいです。
    そしてこれを一つのきっかけに更に大きな活動へと育てていきたいです。

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  • 蔵見学する海外からのボランティア2人

  • 杉浦: 秋津穂の里がある伏見には、油長さんが現在小さな酒蔵を建設中ですね。

  • 中川: 再来年頃の稼働を目標に、小さな醸造所を建設します。いまは土地の造成が完了し、2023年からいよいよ建物の工事に入ります。
    私たちが一番やりたいのは、伏見地区の農家さんと一体になり、その地区の農業を、循環できる持続可能な仕組みにしていくことです。
    そのなかで私たちは、採れたお米をお酒にすることで携われたらと思っています。
    いまは、どの醸造設備を入れるかや、どういった商品作り、販売方法がよいのかを検討していて、里山の農業にフォーカスした酒蔵として運営してゆきたいと考えています。

  • 杉浦: コンセプトがはっきりあるわけですね。そこではお酒の仕込みから、上槽、瓶詰め、貯蔵まで行うのですか?

  • 中川: 小さな設備ではありますが、そこだけでお酒造りから出荷まで完結します。
    貯蔵も出来ますが、基本的には風の森と同じく無濾過の生酒で、搾りたてのフレッシュなものを提供していきます。
    できれば、杉浦さんのお米で取り組ませて頂いているような、できるだけお米を磨かず、その土地の個性を表現できるお酒造りをしたいです。
    たとえば、今回は伏見地区の杉浦さんのお米だけで1本仕込む、つぎは別の農家さんのお米だけで1本仕込む。
    そうすることで農家さんやその田圃ごとの味わいの違いを表現したいです。

  • 杉浦: 油長さんのこの取り組みによって、里山に関心を持つ人が増え、伏見の棚田もより活気づいてゆけばと思います。
    どんな蔵、どんなお酒ができるのか楽しみですね。

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  • 稲刈り後の秋津穂の里

商品紹介

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農家酒屋限定
2025年3月の1回のみ出荷限定500セット

S 風の森 農家酒屋 杉浦農園 ver. 2024 (720ml、1 本)

秋津穂 特別栽培米 酒粕 (500g)付き


 

3,960円(税・送料込)

杉浦農園と沢山の援農者の皆様で育てた特別栽培米の秋津穂を、
「里山を100年先に繋ぐ」をテーマとする、葛城山麓醸造所にてお酒にしていただきます。
この醸造所は、里山で育ったお米を、この地でお酒に醸し、皆様にお届けすることで、
里山農業を持続可能なものとするものです。お米をほとんど磨かず、
この土地の風土と特別栽培米の個性を最大限に表現。
2025 年 3 月にお酒が出来上がり次第お届けします。

12月6日9時から