山下: 今年のお米の生育はいかがでしたか。
杉浦: 今年は山からの水が少なく、初期の生育は非常に厳しいものでした。水稲は水の中ではなく陸の上では育たないんだなと改めて実感しました。
山下: 田植え後の草取りにもだいぶ苦労されていましたね。
杉浦: 水が少ないため草も生えやすく、SNSなどで状況を発信させていただいたところ、たくさんの方が草取りに来てくださいました。
なかには一人で何度も来てくださった方もいらっしゃり、本当に頭が下がる思いです。今年の収量は昨年より減る見込みですが、
それでもみなさんのおかげで穂が力強く育ち、お酒を仕込める程の量は収穫できそうです。
山下: 杉浦さんはいろんなボランティアの方々と一緒に農業をされていますね。
杉浦: 学生さんのワークキャンプや、海外から里山での農業に興味をもったボランティアの方、御所山麓の近隣の方々など、
多くの方に支えられています。
コロナの状況も落ち着き、11月より海外からの長期ボランティアが久しぶりにやってきます。
国際交流をしながら海外の人にも里山を知っていただき、そして僕もいつか海外の里山を見に行きたいです。
里芋畑で作業する海外ボランティア。海外からたくさんの人が来てくれています。
山下: 杉浦農園も益々活気が出てきますね。今年は田植えや稲刈りイベントも久しぶりに行うことができましたね。
杉浦: 3年ぶりに、100名近い方々を迎えて行うことができました。行うと知るや否や、皆さん堰を切ったように待ちに待った方々が訪れてくれました。
本当によかったです。
山下: 私も参加させていただきましたが、こんなに大勢の方々が里山に集まるなんて驚きでした。
杉浦: イベントは今年で6年目になり、最初は30人ほどで始めましたが、ここまでになるとは思いませんでした。
人が集まれば里山も変わってゆくことができます。
山下: 御所の山麓を盛り上げようという活動もあるそうですね。
杉浦: 3年前に近隣の方々と、風土を知るという意味の「農ザクライメイト(know the climate)」というキャッチフレーズを掲げて、
エコリゾート御所郷という協議会を立ち上げました。
農業や宿泊業、飲食、製造など、異業種が一緒になり魅力を発信し、御所観光に繋げていこうという取り組みです。
農業体験や農家民泊を通して多くの方に御所を知ってもらえると嬉しいです。
来年には、農業学校を計画していて、たくさん土地も家も余ってきているなかに、どんどん移住し、住んでもらうきっかけになればと思います。
ボランティアハウスから眺める日の出前の水田
山下: 金剛山の麓の自然豊かな風景はとっても魅力的です。お米の他にどのような作物をつくられていますか。
杉浦: 杉浦農園は野菜も生産していますが、酒米、蕎麦、ワインぶどうという里山再生の3本の矢を持って、水の豊富な田畑は水田に、
水の不足する田畑は野菜や蕎麦にというように、それぞれの田畑に合わせて生産しています。ぶどうはまだまだ収穫まで年月を要しますが、
蕎麦はプロジェクトを始めてからいよいよ4年になります。いまは物件を探していて、蕎麦屋をオープンする予定です。
そば打ちをされている方が定年退職され、お店を切り盛りしてくれることになりました。
山下: 杉浦さんのお蕎麦が気軽に食べられる日も近いということですね。どんどん広がってゆく杉浦さんのこれからの活動に目が離せません。
田畑一面に広がる蕎麦の花
収穫期を目前にした秋津穂の里
文中で紹介したエコリゾート御所郷 アドレスはこちら
https://gose.farm/
・秋津穂 杉浦の特別栽培米(720ml、1本)
・秋津穂 杉浦の特別栽培米 真中採り(720ml、1本)
・秋津穂 特別栽培米 酒粕(500g)
・秋津穂 特別栽培米 白米(2合)
・リーフレット
5,940円(税込)
私、杉浦と沢山のボランティアの皆様で育てた特別栽培米の秋津穂を、
油長酒造さんによってその魅力を低精白で余すことなく最大限に表現。
1月下旬ごろに特別栽培米秋津穂の酒粕と白米をセットにしてお届けします。
お米の生産記録を記したリーフレット付きです。